2026.08.17 猫の慢性腎臓病は早期発見が大切|症状が出る前に気づくために
猫の慢性腎臓病は、シニア期の猫で多く見られる病気のひとつです。
初期には目立った症状が出にくく、飼い主様が普段の生活の中で気づきにくいこともあります。水をよく飲む、おしっこの量が増える、体重が落ちてきたといった変化が見られる頃には、腎臓の機能がすでに大きく低下している場合もあります。
そのため、猫の慢性腎臓病では「症状が出てから受診する」のではなく「症状が出る前に検査で気づく」ことがとても大切です。
今回は、猫の慢性腎臓病を早期発見するために知っておきたい症状や検査、定期検査の考え方についてご紹介します。

■目次
1.猫の慢性腎臓病とは?
2.慢性腎臓病の早期発見につながるサイン
3.慢性腎臓病のステージとは?
4.早期発見のために定期検査が大切な理由
5.診断後の管理|早く見つけることでできること
6.よくある質問
7.まとめ|猫の慢性腎臓病は症状が出る前の検査が大切です
猫の慢性腎臓病とは?
慢性腎臓病とは、腎臓の働きが少しずつ低下していく病気です。
腎臓には、体の中の老廃物を尿として排出したり、体内の水分バランスを調整したりする大切な役割があります。しかし、腎臓の機能が低下すると、老廃物をうまく排出できなくなり、脱水や食欲低下、体重減少などにつながることがあります。
猫の慢性腎臓病は、年齢を重ねるほど見られやすくなる病気です。一方で、初期には元気や食欲に大きな変化がないことも多く、見た目だけで気づくことは簡単ではありません。
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慢性腎臓病の早期発見につながるサイン
慢性腎臓病は、初期には症状が分かりにくい病気です。ただし、日常生活の中で次のような変化が見られることがあります。
・水を飲む量が増えた
・おしっこの量や回数が増えた
・以前より体重が減ってきた
・食欲にムラが出てきた
・毛づやが悪くなってきた
・なんとなく元気がない日が増えた
特に、水をよく飲む・おしっこの量が増えるという変化は、慢性腎臓病で見られる代表的なサインのひとつです。
ただし、これらの変化は慢性腎臓病だけでなく、糖尿病や甲状腺の病気など、ほかの病気でも見られることがあります。そのため、症状だけで原因を判断するのではなく、血液検査や尿検査を行いながら確認していくことが大切です。
当院では、血液検査を院内で実施しており、30分程度で腎臓の数値を確認できます。そのため、検査を受けたその日のうちに結果をご説明し、必要な対応について一緒に考えることができます。
また、腎臓病の早期発見に役立つ検査項目として、SDMAという指標もあります。必要に応じてこうした項目も組み合わせながら、腎臓の状態を確認していきます。
慢性腎臓病のステージとは?
慢性腎臓病は、腎臓の機能低下の程度によって、一般的にステージ1〜4に分類されます。
ステージ1〜2の初期段階では、目立った症状がないこともあります。そのため、見た目の元気さだけで判断せず、検査によって腎臓の変化を確認することが重要です。
ステージ3〜4に進むと、食欲低下や体重減少、脱水、貧血、元気消失などの症状が見られやすくなります。特にステージ4では、尿毒症を起こすなど、命に関わるケースもあるため、症状や検査結果をふまえながら、その子に合った治療や管理を慎重に進めていくことが大切です。
慢性腎臓病では、一度低下した腎臓の機能を元どおりに戻すことは難しいとされています。だからこそ、今どの段階にあるのかを把握し、早い段階から適切な管理を始めることが、症状の進行を抑えることにもつながります。
早期発見のために定期検査が大切な理由
猫の慢性腎臓病では、症状が出てからではなく、症状がはっきりしない段階で検査を受けることが大切です。特にシニア期の猫では、元気や食欲があっても、血液検査や尿検査で腎臓の変化が見つかることがあります。
当院では、猫の年齢や体調、生活の様子を伺いながら、必要に応じて次のような検査を行います。
・血液検査:腎臓の数値や脱水の有無、全身状態を確認します
・尿検査:尿の濃さやたんぱくの有無などを調べ、腎臓の働きを確認します
・血圧測定:慢性腎臓病では高血圧を伴うことがあるため、必要に応じて確認します
また、当院では、9月から11月にかけて「秋の健康診断キャンペーン」を実施予定です。キャンペーンでは、当日に結果を確認できる血液検査のほか、腎臓病の早期発見に役立つSDMAを含む検査もご選択いただけます。
「まだ症状は出ていないけれど、年齢的に一度確認しておきたい」という場合にも、定期検査は大切な機会になります。愛猫の腎臓の状態を知り、これからの健康管理を考えるきっかけとして、ぜひご活用ください。
診断後の管理|早く見つけることでできること
慢性腎臓病と診断された場合でも、早い段階で見つかった場合は、食事や生活習慣の見直し、定期検査などから管理を始められることがあります。
<早い段階で見つかった場合の管理>
ステージが浅い段階では、腎臓への負担をできるだけ減らすことを目指しながら、療法食や内服薬、サプリメントなどをその子の状態に合わせて組み合わせていきます。
定期的に検査を行い、腎臓の数値や体調の変化を確認しながら、必要に応じて管理方法を調整していきます。
<脱水が見られる場合の自宅ケア>
病気が進行して脱水が見られる場合には、皮下点滴を行うことがあります。通院での点滴が必要になるケースもありますが、頻度が高い場合には、ご自宅で皮下点滴を行う方法をご案内することもあります。
ご自宅でのケアに不安を感じる飼い主様もいらっしゃるかと思います。当院では手順や注意点を丁寧にご説明しながら、その子とご家族にとって無理の少ない方法を一緒に考えています。
慢性腎臓病は、腎臓の状態や体調の変化に合わせて管理を続けていく病気です。定期的に状態を確認しながら、その子に合った方法で体調を支えていくことが大切です。
よくある質問
Q. 猫の慢性腎臓病は何歳頃から検査した方がよいですか?
慢性腎臓病はシニア期の猫で多く見られますが、若い猫でも定期検査で腎臓の状態を確認しておくことは大切です。7歳頃からは、より意識して腎臓の数値や尿の状態を確認していくとよいでしょう。
Q. 元気や食欲があっても検査は必要ですか?
はい。慢性腎臓病は、初期には症状が分かりにくい病気です。元気や食欲がある段階でも、血液検査や尿検査で腎臓の変化が見つかることがあります。
Q. どのくらいの頻度で検査を受ければよいですか?
年齢や体調によって異なりますが、基本的には年1回、シニア期の猫では半年に1回がひとつの目安になります。すでに腎臓の数値に変化がある場合は、その子の状態に合わせて検査の間隔を調整します。
まとめ|猫の慢性腎臓病は症状が出る前の検査が大切です
猫の慢性腎臓病は、初期には目立った症状が出にくく、ご家庭での様子だけでは気づきにくいことがあります。そのため、元気に見える時期から検査を受け、腎臓の状態を確認しておくことが大切です。
当院では、検査結果だけでなく、普段の食欲や飲水量、おしっこの様子、ご家庭でのケアのしやすさなども伺いながら、愛猫と飼い主様にとって無理の少ない管理方法を一緒に考えています。
9月から11月に実施予定の「秋の健康診断キャンペーン」では、愛猫の年齢や体調に合わせて検査内容を選べるよう、腎臓病の早期発見に役立つSDMAを測定できるプランもご用意しています。
大崎市・古川周辺で、愛猫の年齢や腎臓の状態が気になり始めた方、定期健診をご検討中の方は、まずはお気軽にご相談ください。
【監修者】アイ動物クリニック院長 瓜生 風馬(獣医師)
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