2023.05.31 アトピー性皮膚炎について│犬猫の痒みがみられたら注意
犬や猫は痒いところがあると、後ろ足を使って掻いたり、口を使って舐めたり噛んだりすることがあります。
これは日常的によくみられる光景ですが、しつこく掻いている場合それはもしかしたらアトピー性皮膚炎かもしれません。
こちらの記事では、犬や猫のアトピー性皮膚炎とは一体どのような病気なのかを解説していきます。
症状
主な症状は痒みです。アトピー性皮膚炎は、ひどい痒みが持続するため掻き壊しや舐め壊しで毛が抜けてしまう炎症が起こることがあります。
また、病変は顔や耳介、足先、四肢の付け根、お腹などに多くみられます。
原因
犬や猫のアトピー性皮膚炎は、複数の要因が重なることで起こります。
・ハウスダストやダニ、花粉などのアレルゲンが存在している
・皮膚のバリア機能が低下している
・アレルギー体質
また、遺伝的な要因も関係しており一部の品種に多くみられます。
<犬>
・シーズー
・ウェストハイランドホワイトテリア
・柴犬
・フレンチブルドッグ
・トイプードル など
<猫>
・アビシニアン
・ペルシャ
・ヒマラヤン など
ダニの被害はこちらの記事でも解説しています。
犬・猫のノミ・マダニ・フィラリア予防について詳しくはこちらから
診断方法
まずは皮膚検査(スタンプ検査、被毛検査、皮膚掻爬検査、ウッド灯検査など)や血液検査を行い、他の病気を除外することで診断します。
その際に、病気が見つかり治療を行っても症状が改善しない場合は、アトピー性皮膚炎が強く疑われます。
また、病変部位や症状などをアトピー性皮膚炎の診断基準(犬で8項目、猫で10項目)に当てはめることでも、高い感度で診断できます。
治療方法
アトピー性皮膚炎の治療は一般的に根治を目的とするものではなく、症状をコントロールすることを目的としています。
基本的にはステロイド剤や免疫抑制剤、抗ヒスタミン薬などを使用する薬物療法を行いつつ、保湿剤の塗布やシャンプーといったスキンケアを同時に行います。
さらに、補助的に療法食やサプリメントを利用することもあります。
予防方法
完全に発症を防ぐことはできませんが、リスクを下げることはできます。
まずは日頃から愛犬や愛猫の居住スペースを清潔に保ち、環境中に潜むアレルゲンをできるだけ取り除くようにしましょう。
そしてスキンケアもしっかりと行い、皮膚を健やかに保つよう心がけましょう。
まとめ
犬や猫のアトピー性皮膚炎の治療は長期にわたるため、重症化させないことを目標に、うまく病気と付き合っていくことが大切です。
こちらでご紹介した内容を参考に、愛犬・愛猫に強い痒みがみられた場合は、ぜひ当院へご相談ください。
宮城県大崎市を中心に診察を行うアイ動物クリニック
0229-22-3430
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<参考文献>
・https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjvd/20/1/20_3/_pdf
・http://www.slj.co.jp/news/Vet_Allergist_vol-18.pdf