2023.06.23 アレルギー性皮膚炎について|日々の生活管理が大切
大切なペットがいつもどこか痒そうにしていたり、搔き壊して血が滲んでいたりすると、びっくりしてしまいますよね。皮膚炎の原因はたくさんありますが、幼少期から長引くトラブルはアレルギー性皮膚炎を疑う必要があります。
今回はアレルギー性皮膚炎とはどのようなものなのか、詳しく解説していきます。
原因
犬猫のアレルギーは主に食事性と環境性に分かれます。
食事性の原因食物には肉類(特に牛)、乳製品、大豆が多いとされています。
環境性の原因はノミ・ハウスダスト・花粉・カビなどがあげられます。
症状
皮膚の発赤や湿疹が顔を中心に現れ、一般に強い痒みを伴います。
顔の中でも特に目や口の周りに症状が出やすく、四肢端や背部、肛門付近にでることもあります。
かさぶたがたくさんできていたり、ボロボロとフケのようなものがでたり、しきりに舐める仕草が見られる場合も皮膚炎を疑います。
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診断方法
アレルギー性皮膚炎かを見た目で判断することは困難です。
そのためまずは抗生剤や駆虫剤を使用し、細菌性皮膚炎や外部寄生虫による皮膚炎を否定します。
アレルギーの有無は血液検査で確認できますが、除去食を与える方法もあります。
除去食とは、アレルゲンとなる可能性が限りなく低い成分のみで作られたフードです(新奇タンパク食・加水分解食)。
除去食を食べて改善すれば、今までの食物中にアレルゲンがあったということになります。
治療方法
アレルゲンを避けることが最優先になります。
そのうえで、アポキルや抗ヒスタミン薬、ステロイド剤を併用して、皮膚の痒みや炎症をコントロールします。
掻き壊しによる二次感染が起きている場合には一時的に抗生剤や抗真菌剤などを使うこともあります。
アレルギーと付き合っていくのではなく、根本的な完治を目指すには、減感作療法を用います。
これは特定されたアレルゲンを少量ずつ、徐々に量を増やしながら皮下注射する方法で、長期的な通院が必要になります。
予防方法
アレルゲンを環境中に持ち込まないことや、食べさせないよう工夫しましょう。
カビ、ノミ、ハウスダストの発生を避けるため極力清潔にし、花粉の時期に発症するようなら、その時期は散歩を避けたり、服を着せたりするのも1つです。
また、アレルギーには日頃の生活環境や食事内容が密接に関わっているため、ペットの生活習慣をよく把握している方が病院に連れてくるようにしましょう。
発症時に、その日食べさせたものや行動を記録しておくと診断の手掛かりになります。
まとめ
アレルギー性皮膚炎の治療には時間がかかります。内服や食事を変更しても、数日での改善は滅多にありません。根気強く、よく主治医と相談しながら治療していくことが大切です。
痒みは大切なペットのQOLを著しく低下させます。獣医師と連係して、快適な生活を送れるようサポートしてあげましょう。
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